ロルファーが教える効果が倍増する筋膜ストレッチの注意点

コラム
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運動の前に、ストレッチを行う人は多いと思います。

ではストレッチを効果的に行うためにはどうしたらいいのか考えてみましょう。

効果的なストレッチを行うにはどうしたらいいのかを、ロルファーの立場から解説します。

ロルファーをご存知ない方も多いと思うので少し紹介すると、ロルファーとは、ロルフィング®という施術をおこなう人のことで、アメリカロルフ研究所が認定している資格で、日本では100名ほどが活躍中、私もその一人です。

ロルフィング®は何をするのかというと、セッションを通じて体の再構築を行います。

一人ひとり体や体の動かし方には癖や個性があるので、体の構造の歪みや動きの癖を発見し、構造的に再構築していく身体教育プログラムを行っています。

そして動きの再評価をし、体のポテンシャルが最大限に出るような動き方や知覚力をつけるトレーニング、体自体の調整力やバランスよく動ける体作り、また構造を生かす動き方、例えば骨や筋肉を痛めない動き方の指導をしています。

スポーツを長く続けていく為に痛めない体作り、また自分の体を効率よく使っていきたい人は、何かのタイミングで受けてもらいたい施術です。

さて前置きの説明が長くなりましたがストレッチの話に入ります。

体の構造を理解してストレッチを行う

効果的にストレッチをする為には、体の構造を理解していることが大切です。

ただ伸ばすとか、無理に曲げるのは、構造的に無理をしている場合が多く、お勧めしません。

私のサロンには、ダンサーや、ヨガやピラティス、エアロビクス、バレエの先生方、様々な競技のプロの選手や第一線で活躍しているアスリートの方も多いですが、過度の使いすぎ、特定筋肉の使いすぎ、特定方向への伸ばしすぎが目立ちます。

やはりどんな動き方をするにしても、体の構造を知っている方がいいと思います。

骨の構造、筋肉の構造は、解剖学の本にも載っているし、学校でも少しは習ったことがあると思うので、今日は筋膜について少し紹介します。

筋膜とは何か?

筋膜という言葉を聞いたことはありますか?

筋膜とは体にある結合組織の総称で、具体的に言うと筋肉を包む膜のことです。

筋肉を包んでいるだけではなく、筋肉と筋肉の間も筋膜であり、大きなところでいうと、体全体をボディスーツのように包む膜とも言えるし、体の深層を繋いでいる膜でもあります。

つまり体の表層から深層まで、身体中を繋いでいる組織体です。

体の動き方の癖は、実際にはこの筋膜上の癖とも言えるのです。

また歪みやズレ間、ひいては筋肉の固め、力が抜けない感じやコリ、腰痛なども、筋膜の状態が体にとって不調和な方向でクセがついた状態と言い換えることができます。

我々が意識的に動いているように思っていても、構造やこうした筋膜のクセによって、無意識的に制限や抑制が行われてしまっているのが実状です。

筋膜には可塑性という性質があり、特定の方向へばかり動いているとクセがつきやすい性質があります。

この性質は、動きを覚える為には良いことであるが、構造を無視した動きでもクセがついてしまうのです。

このことが、体の歪みを作ったり、骨格や靭帯を痛める原因になることもあります。

そうならない為にも日頃から筋膜を整えることが大切であり、筋肉や骨格に加えてこの筋膜を意識しているのが自由な体であると言えます。

リラックスをしてストレッチを行う

ストレッチは強度を高める運動ではありません。

だから一生懸命に行う必要はありません。

逆に一生懸命にやると、かえって体にとって構造を歪める原因にもなります。

だからリラックスして行う方が良いです。

ちなみに筋肉を痛めないために筋膜の状態を整えるストレッチは、毎日行う必要はありません。

2~3日に一度、あるいは1週間に一度程度行えば十分に効果があり、歪みや柔軟性の回復などが望めると思います。

さてリラックスして行うことが大事であると書きましたが、なぜリラックスすることが大事かというと、リラックスしないと体はゆるんでいかないからです。

リラックスするためには、どうしたらいいのかというと、まず体のことを考える必要があります。

体というのは、頭で思う以上に、体独自に環境とコミュニケーションしています。だから体がリラックスするためには、体ベースの環境が大事だと言えます。

例えば、ストレッチする時の服装。キツキツのジーンズを履いたままストレッチを行ってもあまり効果は少ないでしょう。ストレッチするには体にストレスの少ないゆったりとした格好で行うのがいいです。

また暑すぎる場所、寒すぎる場所、など、ストレッチする場所の温度や、またうるさすぎる場所では、体がリラックスしにくいです。

例えば音楽やテレビがかかっていてもいいと思うが、LINEをやりながらとか、誰かと別の話をしながらだと、話に意識が向いてしまいがちです。こうした無意識的な環境もリラックスすることに影響します。

体は、環境とコミュニケーションしているのです。つまり体が緩む前提にはある程度、体に意識を傾けることが大事で、体と会話するように行うと良いと思います。

誰かと会話している時に相手が他のものに意識を取られていたり、LINEに気が入っていたら、この人は話を聞いているのかな、と思いませんか。

体も同じようなもので、ちゃんと向かい合えば実に素直なもので、ちゃんと気を使い、手入れをしていけば、どんどんあなたに答えてくれます。

自分の体に耳を傾け、今の状態を感じ取るために行っていくのが効果的だと考えます。

ストレッチで重要な2つの動き

さて筋膜を意識したストレッチには3つの動きを行っていきます。

この3つの動きを行うことが筋膜の状態を考えた効果的なストレッチであると言えます。

その3つとは、まず緩める動き、そして次に伸ばす動き、そして整える動きです。

伸ばす動きというのは皆さん通常行っていると思うので、後の2つ、緩める動きと整える動きを加えて欲しいので、これに関して少し解説していきます。

ストレッチだから伸ばせばいい気がすると思いますが、この緩める動きというのがストレッチの効果を高める鍵でもあります。

体が緩むだけでストレッチの効果の半分は終了していると言えます。

では緩むため方法はいろいろあるが、ストレッチとして行うとしたらお勧めするのは、体の中でガードルと言われている部分、つまり胸郭や骨盤を緩める、リリースすることです。

どちらも体幹部と四肢のつなぎ目の部分で、体のつなぎ目で、要になっている部位です。

そして固めやすい部分でもあります。

固めた状態で固定していくといずれ前者だと肩こり、後者だと腰痛に繋がっていくことが多いです。

この部分を緩めてリセットするだけでも、その後の伸ばす動きの質が変わってきます。

質の高いストレッチをすることにより、体の固めや違和感は、かなり減っていくでしょう。

2つの場所を緩めてストレッチの効果を高める

緩める動きに関しては、ストレッチ前に寝た状態で行うのがいいと思います。

胸郭では、呼吸に着目します。呼吸は普段無意識にしているからあまり気づかないかもしれないが、首から股関節までの筋肉を使っています。だから呼吸が安定してくるだけで体幹部の安定感はぐっと増えてきます。

骨盤に関しては、骨盤そのものが、しっかり休んでいることが大切です。膝を立てた状態で骨盤がしっかり休んでいるか確認してみましょう。

そしてできるだけゆっくりとした動きで骨盤を転がすように動かしていくような動きが有効です。

表層の筋肉が固まっていても小さい動きにより深層部の筋肉が動いてくることにより、表層の筋肉も緩んでくるのです。

そして伸ばす動きをしたのちに繋げる動きをすることをお勧めします。

繋げる動きというのは体を部位で捉えるのでなくて繋がりとして捉える動きをしていくことを指します。

つまり足を動かすにしても足だけでなく脚の感覚を持って動くこと。手を動かすにしても腕のイメージで動かしていくことにより、ストレッチで伸ばしたリセットされた筋膜が安定してくるのです。

この安定した関係性を作ることが、ひいてはより合理的な動きをする体に変えていくと思います。

筋膜を緩める動きや繋げる動きを考慮しながら行えば、ストレッチをより効果的に行っていくことに繋がり、十分に使いやすい、自由な使いやすい体に少しづつ近づいていくと言えるでしょう。

そしてこの緩むや繋げることができるようになると、副交感神経が働き、自律神経も安定して、緊張や不安定になることも少なくなっていくのです。

緩む動きや繋げる動きをストレッチに取り入れることは、運動効果を上げるだけでなく、体の違和感をなくして、あなたの体の安定に繋がる魔法の調整法に変身させることもできるのです。

 

 

次回は筋膜を緩める動きや繋げる動きの実例を紹介していきたいと思います。

 

今後の予定

「ロルファーが教える効果が倍増する筋膜ストレッチの注意点」その2 緩める動き編

「ロルファーが教える効果が倍増する筋膜ストレッチの注意点」その3 繋げる動き編

 

ロルファー 吉田 哲正

TE2ボディワークス

渋谷・表参道徒歩7分

ウェブサイト http://www.nagareru.com/

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