ビールヨガ、男ヨガ…ヨガの新たな楽しみを生み出す菊田敬祐とは何者!?

ビールヨガを行なっている菊田氏

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「人間は本来のままで豊かな存在であるということに気付いて欲しいですね。その中でヨガはあくまでツールであって、楽しく生きるための答えをだすものでしかないです」

古代インドで発祥したヨガ。独特な世界観や女性が健康のために行っていると言うイメージが強くどちらかというと閉鎖的な存在だった。

しかしここ最近では、アスリートが練習の一環としてヨガを取り入れるなど認識が少しずつ変わってきている。

そんなヨガの世界でもっと多くの人にヨガの楽しさを伝えようと暴れまくっているのが菊田敬祐氏だ。菊田氏はビールを飲みながら行う「ビールヨガ」や男性限定の「男ヨガ」など様々なものとヨガをコラボさせ、ヨガの魅力を外へと発信している。

なぜそんなにも彼はヨガを愛するのか。今回はビールという言葉に惹かれて菊田氏に色々と話を聞いてきた。

「ヨガをするまでは自分に注目していなかった」

今回お話を伺った菊田敬祐氏
写真提供:菊田敬祐氏

まずは菊田氏がヨガインストラクターになる前のことについて紐解いていきたい。菊田氏がヨガと出会ったのは今から4年前のことで、エンジニアとしてロボット開発をしていた時だ。当時、菊田氏はエンジニアとしてこのまま一生を終える思いでいたがそれと同時に職場にある疑問を抱いていた。

「本当にこのまま自分がここで仕事をしていいのかな」

こう思い始め理由は職場の人間がかなり疲れた様子で仕事をしていて、その中で自分もこのままいたらどうなるのかという不安から出たものだった。実際、菊田氏自身もかなり限界まで仕事をしていたと言う。

そんなモヤモヤを抱えている中でタイミングよく友人に誘われてヨガに行くことになった。そしてここで大きな衝撃を受けることになる。

「ヨガをしてみた時に体をただ動かすというよりもゆっくり動くとか、あと内観と言うんですかね。自分の体がどうなっているのかを考えながら動くというのが初めての経験でそれが自分にとって衝撃的でした。それがどれくらいかというと今まで一度も自分をケアするつもりで見ていなかったなと気付いたんです。自分というものに注目してこなかったなと」

普段の生活で自分を見直すということはあまり考えたことがないが、この部分が多くの人がヨガにハマるきっかけとなる1つと言えるのだろう。

さらに菊田氏はヨガの世界に足を踏み入れてから起こった変化はマインドの部分にも現れたと話す。

「感情をコントロールできるようになったんです。怒るときは怒るんですけど今、怒っているなと。でもこれを出す、出さないという選択が自分の中で出来るようになりました。ヨガを知っていくことによって人間性に変化が現れ始めましたね。それでヨガで変わった事と言えば体なんだけど直ぐにマインドの変化が現れました」

このようにヨガの魅力に取り憑かれた菊田氏はどんどんヨガの世界にのめり込んでいくようになる。そこからヨガのインストラクターになると決断するのにそう時間はかからなかった。しかもちょうど年齢的にも40代に近づいていた頃でそろそろ自分の人生について考えるタイミングでもあった。

エンジニアからヨガのインストラクターになると決意したその時の思いについてこう振り返った。

「現代人に本当に必要なものって、物を作るとかではなくてそもそも人間らしい原点に帰ることが大切だと思いました。それと同時に人間らしくなれるものが必要とされる世界であるべきだと僕は感じたんですよね」

理想と現実にギャップを感じる

ヨガの世界に踏み入れてから今年で4年。これまでヨガインストラクターとして様々な活動をしているが、わずか4年という期間でここまで精力的に活動していることから見ても菊田氏にとっていかにヨガが魅力的だった事がわかる。

しかしエンジニアの世界からヨガの世界へと進んだ当初は世界観の違いに戸惑いもあった。

「ヨガというのは自分の原点に戻るとか、自分らしさを見つけるということで今流行りの言葉にもなっていますが『そのままのあなたでいいんです』というのがあるんです。

でも、そのままで十分だったら文化って止まるじゃないですか(笑)。森の中にある小屋で生活しているんだったら別ですけど、アスファルトの上を靴履いて歩いてるのにその考えはどうなのかなというのはありました。なので文明人としての自分がいる中で、ヨガにあるナチュラル志向の大切を知ったのでその間でせめぎあうということはありました」

確かに今、身につけている服や生活になくてはならなくなったスマートフォンなど、文明の利器によって日々の生活は成り立っている。その中で古代に発祥したヨガの考えを自分の中で受け入れるということは、まさに理想と現実をどう折り合いを付けるのかということだろう。

そうした2つの視点が菊田氏にはあったおかげで、様々なものとヨガをコラボさせていくきっかけにもなっている。

ビールヨガのテーマは「大人の無駄時間」

ビールヨガを行なっている菊田氏
写真提供:菊田敬祐氏

菊田氏が行なっているヨガの中でも一際目立つのが「ビールヨガ」だ。ビールヨガは夏に行われておりお酒を楽しみながらヨガを楽しめるというものになる。

元々ビールヨガはビール大国であるドイツ発祥のヨガで、イギリスやオーストラリアなど世界各地で広まりをみせている。しかし菊田氏が行っているビールヨガは本場とは違うオリジナルのテイストが入っている。それは菊田氏が映像でビールヨガを見た際にこう感じたからだ。

「あっちが本場なんですけど、見たときにこれ違うなと思ったんです(笑)。逆に自分が本当のビールヨガを教えてやると思って始めました。本当のお祭り男を見せてやるぞと(笑)」

ここですでにお気付きかもしれないが菊田氏のヨガにはお祭り要素が入っており、生粋のエンターテイナーとも言うべき発想が詰まっている。

話は戻してビールヨガでは使用するビールに指定はなく、好きなお酒を持ち込むことができる。しかし、頭に乗せるので缶ビールなど軽いものは避けたほうがいいとのこと。ここでビールヨガで一番気になる健康の敵とも呼べるビールに果たしてどんな効果があるのかについて菊田氏にぶつけてみた。

「身体的な効果としては色々あるわけではないんですよ。確かに少し飲むことで体がリラックスするとか気持ちが落ち着くとかはありますが“これだ”というものはないですね。ただ、対面的に言うのであれば筋肉が柔らかくなる効果はあります。それはビールを飲ませて育てている松阪牛が証明しています(笑)」

思いのほか、ぶっちゃけた答えが返ってきたので正直びっくりした。しかし菊田氏は自身がヨガで感じたようにここで大切なのは外ではなく内だと話す。

「ビールヨガに持っているテーマというのは『大人の無駄時間』というものなんです。社会人は色々なものに縛られているので、日頃のストレスを吹っ飛ばしてリセットして社会に戻っていってもらいたいと言うのが僕の中であります。なので身体的な効果というよりもマインド的な効果ですね」

この話を聞いてビールヨガは体というよりかは心の健康にベストな運動といえるだろう。ちなみにビールヨガは昨年からサッカーJ1湘南ベルマーレのホームゲームでイベントとして行われており、菊田氏はそこに講師として出演している。その湘南ベルマーレでのイベントではある狙いがあると明かしてくれた。

「(湘南ベルマーレでの)ビールヨガは“ついで”でいいんです。サッカーファンでサッカー見に来たけどヨガやってるからやってみるという人がいるのでそこから広まるので嬉しいですね。畑違いの人がどんどん入って来てくれるので」

※動画は湘南ベルマーレで行われたビールヨガの様子

実際にビールヨガがきっかけでヨガを始める人は多いと話す。気軽に誰でも楽しめるのが菊田流というべきだろう。

次はスイーツとコラボも

ヨガのポーズを決める菊田氏
写真提供:菊田敬祐氏

常にアンテナを張り、日々日常で「何か見つけたらコラボできないかと考えています」と話す菊田氏。思いついたら「すぐにできそうなところに電話をする」と言い、ヨガを外に発信するという自身の信念に迷いはない。

ちなみに次に目指しているコラボはビールと同じく健康の敵であるスイーツとだと明かしてくれた。

「(こっちも)対極ですけど、先に反省会みたいな感じですね。しっかり動いてから甘いものを食べましょうということですね」

果たして「スイーツヨガ」はどんな場所でどんな形で行われるのか。ますます菊田氏の今後に目が離せなくなってきた。しかし、常に菊田氏の動向をチェックできるわけではないので見失わないようにここから先、ヨガを使って何をするのか聞いてみた。

「ヨガを通して人間は本来のままで豊かな存在であるということに気付いて欲しいですね。人生の充実感を伝えたいです。楽しく生きろということかな。その中でヨガはあくまでツールでしかなくて、楽しく生きるための答えをだすものでしかないですね」

楽しく生きるという思いを発信するために菊田氏はこれからもヨガを使っていくことが分かった。

体を鍛えるといった一般的な運動とは少し違った、新たな自分を見つけるという意味でヨガの世界に飛び込んでみてはどうだろうか。

ビールヨガを行なっている菊田氏