カロリーになるのは、糖質・脂質・タンパク質の3大栄養素。
糖質とタンパク質は1g4kcalだが、脂質は1g9kcalと2倍以上の高カロリーだから、痩せる近道は脂質カットと広く信じられてきました。
しかし、日本でもアメリカでも脂質摂取量は減り続けているが、逆に肥満は急増中。
3大栄養素の中でもタンパク質がエネルギー源となる割合が低いことから、肥満急増の主因は糖質ではないかと疑われ、糖質制限ダイエットが生まれました。
糖質で太るのはインスリンの作用
食事の糖質はブドウ糖(グルコース)として吸収され、血液に入ります。
糖質を食べて血糖値が上がると、膵臓からインスリンというホルモンが分泌され、筋肉や脂肪細胞に血糖を送り込まれる。
筋肉に溜め込まれる糖質には上限があり、超過分は中性脂肪として脂肪細胞に蓄えられることになります。
脂肪細胞は、安静時に中性脂肪が分解されて血中に放出しているますが、インスリンはこの脂肪分解も抑制してしまうのです。
糖質を備蓄エネルギーである中性脂肪に変えるインスリンの働きは、かつて飢餓から生命を守るためのものでしたが、現代のように3食糖質を食べて動かない生活では脂肪は蓄えられるのみで肥満になってしまいます。
糖質制限でインスリンの追加分泌が抑えられる
インスリンは24時間休みなく基礎分泌されています。
糖質を摂ると基礎分泌の何十倍ものインスリンが追加分泌され、脂肪蓄積を促します。
3大栄養素の中で血糖値を上げるのは糖質のみなので、糖質を制限するとインスリンの追加分泌が抑えられます。
その結果、脂肪の分解がノンストップで続き、肥満解消を促します。
肝臓での新糖生でカロリーが消費される
大半の細胞は糖質以外のエネルギー源を使えますが、赤血球は糖質しかエネルギーにすることができません。
その他にも糖質を好む細胞もあるため、血糖値は下がりすぎないように保たれる仕組みが体には備わっています。
その柱となるのが、肝臓でアミノ酸などから糖質を合成する「新糖生(しんとうせい)」。
新糖生は多くのカロリーを消費する反応で、食間や睡眠中にも行われますが、糖質制限すると24時間新糖生が起こり、エネルギーの消費がされます。
高タンパク質食になり体熱としてカロリーを消費する
糖質制限をすると、自然にタンパク質摂取量が増えます。
3大栄養素は消化吸収に際して糖質6%、脂質4%、タンパク質では30%ほどが体熱(食事誘導熱生産)が発生。
食事でのタンパク質摂取の割合が増えると、食べたカロリーが体熱としての消費量が増加し痩せやすくなります。
無駄なカロリーがケトン体として排泄される
最後に、糖質摂取が減り、脂質摂取量が増えるとケトン体という物質が増加します。
ケトン体は中性脂肪を分解した脂肪酸から生じ、呼気や尿から排泄されます。
また、ケトン体は脳のエネルギー源としても使われます。
糖質制限(低糖質)ダイエットは、正しく行うことで1~2週間で2~3Kgの減量が期待できます。
食事の中身を変えるだけでお腹いっぱい食べることができ、続けることで代謝システムが糖質中心から脂質中心に切り替わります。